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法のオプティミズム −− R・ドゥオーキンの法理論、その一側面 −−
(2004年)
R・ドゥオーキンの法理論の輪郭を描きました。
法のオプティミズム / 法のプロテスタンティズムという視点で彼の法理論上の主著『法の帝国』を読み解けば、法とは何かについての見通しが付きます。
二つの方向の法の倒壊、すなわち「意味論的な法理論」と「内的懐疑論」というそれぞれの方向の倒壊。そして、それを防ぐための二つの態度、「法のオプティミズム」と「法のプロテスタンティズム」。『法の帝国』に目立たなく潜んでいます。
なお、前半はハートとドゥオーキンの議論がすれ違いに終わったのはなぜかという点を論じています。「解釈以前的な意味での法」と「解釈的な意味での法」、この区別をするかしないか、「何が法か」という問と「法とは何か」という問いを区別するかしないか、というよりこの区別に気がつくかどうか、ここが分かれ目だと思います。